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先日、告知させて頂いた企画展が始まりました。

   『100葉の賢治展』~100人のイラストレーターが描く宮沢賢治の世界~
    http://www.pinpointgallery.com/japaneseindex.html

参加されているイラストレーターの方達の作品が、
ホームページ上で見られるようになっています。(画像は私の作品『双子の星』)

私は12日のオープニングに伺いました。
100枚のイラストが壁面を飾る様は圧巻でした。

その中に、他の絵と比べて趣きの違う一点が。
山下勇三さんの『アメニモマケズ』。
キューピーのパッケージや、無印良品の広告イラストで知られる
有名なグラフィックデザイナーの方です。
展覧会には、完成された作品ではなく、
下書きとして描かれたラフスケッチが展示されていました。

先月末に亡くなられた、との事でした。

その鉛筆の線を引かれたのは、確かに山下勇三さんなのだけど、
そのご本人はもう生きてはおられないんだという現実。
でもその反面、目の前にある鉛筆の線が、あまりにも生き生きとしていて、
もうこの世にはおられない山下さんのエネルギーを今も放っている。

それをどんな風に受け止めたらいいのか、としばし立ちすくみました。
いつも感じるのですが、生身の人間が直接体を使って残していったものは、
そこからじわじわとエネルギーというか光というか、
何か溢れだしているように思います。
そして山下さんのラフスケッチが、
白い紙の上に濃黒の鉛筆で力強く描かれた線だけである事が、
なおいっそう、そんな印象を強めるのでした。

山下勇三さんのご冥福をお祈りします。